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学生時代、多くの人に衝撃を与えた作品『風餐』を描いた画家谷口亮三。家庭を持つことで、閉じ込めたはずの芸術家としての業が、仕事のひとつのハプニングから、いやおうなしに浮き上がってくる。その過去の翳と不思議な女性粧子との出会いの渦に巻き込まれ、翻弄される谷口。日常と非日常が交差するような美しく切ない物語。
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死に別れた幼い妹との交信――。
それは幻聴なのか? それとも?
精神科病院に入院する“僕”を軸に描かれる、家族の背負った十字架。隠された真実が明らかになったとき、罪は償えるのか、ゆるしは与えられるのか……。
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物語は、著者の「過ぎ去りしとき、調査せし、戦中―戦後のむかし話、関連法令」。並びに、終焉を迎えしこれまでの人生において、「えにしを戴き、交りし、見聞せし方々のお姿・人生」を基にしている。