映画と雑誌の日々を送る大学三年生の柘植は、いつものように喫茶ジーニアスのドアを開けた。モーニングセットのプレートを差し出したのは、切れ長の目をした、人懐っこすぎるウエイトレス。作り笑いの裏に隠された女の正体に柘植は次第に魅かれていく。
暴かれる女の過去。そしてふたりは、逃げた――。
近代医学に繋がる「仁愛」を基本にした李朱医学を高らかに唱え、日本に普及させた曲直瀬道三。
また、文禄・慶長の朝鮮の役や秀吉の禁教令の荒波をかぶりながら、流罪同様の苦をものともせず疾駆した、養嗣子の曲直瀬玄朔とは如何なる医人なのか!
『医の旅路はるか』に続く、本格派歴史エンターテイメント小説第2弾!